がん終末期のリハビリを経験して
- snishizawa3
- 10月10日
- 読了時間: 3分
こんにちは。
作業療法士の前田です。
今年の夏、がんの終末期のご利用者を2名担当させていただきました。
今までも終末期の方を担当させて頂いたことはありましたが、最期の時が近づくと、訪問看護や往診、ヘルパーの需要が高くなります。
その結果、リハビリはサービス終了するという事も多く経験しました。
がんの痛みが強くなり、倦怠感が強く出る時期にリハビリで何ができるのという声も頂くことはあります。
しかし、リハビリにはいくつか言われている効果があるので、3つご紹介します。
①症状の緩和と能力の維持
がんの終末期には倦怠感やむくみが出現し、息苦しさや動きにくさが出現します。
そんな時でも軽い運動や関節をこちらが動かすことをすると、倦怠感の軽減やむくみが軽減できると言われています。
その結果、歩くなど今できる能力を少しでも維持することができるとされました。
②尊厳の維持
自分でできることが維持できると、尊厳を維持し、自己効力感を持ちやすいとされています。
がんが進行すると、できないことが増え、落ち込み、うつ傾向になる方も少なくありません。
少しでもできることを保つことは心理的に安定できたり、抑うつ予防に繋がり、心理的にもリハビリは効果があるとされました。
③ご家族の負担の軽減、ご本人とご家族の関係性の維持
動けなくなってくると、介護負担がご家族にかかります。
そんな時、動き方や周囲の道具など周りの環境を調整できれば、ご利用者やご家族の負担を減らすことができることがあります。
身体的な負担を減らすことができれば、心理的な負担も減らすことができます。
負担が少なくなると、お互いが神経をすり減らし、過度に攻撃的になってしまうことも減り、ご利用者とご家族の関係性も良好な関係性を維持しやすいです。
以上、3つのリハビリの効果について触れさせて頂きました。
このようなことも考えながらリハビリに入らせては頂くものの、現実には本当にこれでいいのだろうかと悩むことは多くあります。
本当になにか意味を見いだせているのだろうかと不安だったこともありました。
ですが、今回は最期を迎えるまで関わらせて頂き、ご挨拶に伺う事もできました。
私自身が力になれたかは分かりませんが、ご挨拶ではご家族と思い出話など色々なお話もでき、とても良い時間を過ごさせて頂きました。
私自身が仕事で思い悩むことは多いです。
ですが、それ以上にご利用者やご家族が抱えている葛藤や想いはあると思います。
そういった時に少しでもお力になれるよう日々の臨床に取り組んでいきたいです。






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