理学療法士の中井です。
訪問看護ステーションあゆみのに転職し、早くも1年が経とうとしています。もともと大阪の病院や訪問看護ステーションに勤務しており、10数年ぶりに帰郷し現在に至ります。
あゆみのに入職後、何度か職場内研修等で発表させていただく機会を頂きました。その中でも自身で印象に残っているテーマについてお話させていただきます。
皆さまは「ICF」というワードをご存知ですか?
ICFは「International Classification of Functioning,Disability and Health」の略語で国際生活機能分類と呼ばれるものです。
我々医療従事者は、利用者様・患者様の状態を把握するために共通のフォーマットのようなものを利用し、理解したうえで状態に合わせた医療を提供しています。その中で、以前は「ICIDH」いうものが一般的に利用されていました。しかし、ICIDHにも欠点がありました。「マイナス面のみを明記する」という点です。対象者を理解するうえで身体上の問題点のみを考察します。しかし我々が対象とする方々は身体や精神に障がいがあり、それが永続的に残ることも多々見られます。その中でICIDHの考え方のみで話を進めると、その方々は絶対的に社会復帰することが出来ません。
果たしてそうでしょうか?
そんなことはありません。「プラスの面を重視」することで新たな道を切り開く可能性が生まれます。
「何ができないか?」だけでなく「何ができるのか?」
そういった問題点を解決するために生まれたのがICFになります。他にもICFの特徴はありますが、在宅医療においてこの考え方は非常に重要になると考えています。神経難病などに罹患し身体機能がみるみる低下していく中で、利用者様は耐え難い苦しさや絶望感を感じることが多くみられます。その一瞬一瞬で「何ができるのか」を一緒に考え、生活に充実感や達成感を感じながら生きていく。その瞬間に立ち会えることが在宅医療に携わる者のやりがいであると思います。
私は理学療法士としての仕事を始めて10年が経ちます。
「利用者様の身体を良くしたい」という気持ちは誰よりもあります。
しかし、それだけでは従来の考え方と変わりません。
身体の悪いところだけでなく良いところにフォーカスし「気づき」を提供していくことが真に「生きていくこと」のきっかけに繋がるのではないでしょうか。
「同じ病気」はあっても「同じ人間」は存在しません。
いかに個々人にコミットしていくか。これが大切であると痛感しました。
この4月で理学療法士11年目に突入します。
これらの考え方を念頭に置き、利用者様方には更に良い医療が提供できるように邁進しあゆみのを盛り上げていきます。今後ともよろしくお願い申し上げます。
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